マーケティングの現状と未来を語る

世の中のニュース、トレンド、ブームをマーケティング視点からわかりやすく解説します

ベッキー復帰に見る「謝罪」手法の変化

5月13日、休養中だったタレント、ベッキーさんがTBSの「金スマ」で久しぶりにテレビ出演を果たした。復帰の是非、復帰の時期などについて、視聴者ひとりひとりの意見は異なると思う。ただ、ネット等の反応を見ると、週刊文春の記事が出た直後に行った会見後…

『セブンイレブン VS ミスド』ドーナツ戦争の行方

2016年3月、ミスタードーナツ(株式会社ダスキン運営、以下「ミスド」)は、2017年までに全体の3割にあたる約400店程度で「オールドファッション」など定番の6商品の価格をの1~2割を値下げすることを発表した。 この決定の裏には、コンビニドーナツとの競争…

「北海道新幹線」の喜んでばかりいられない現状

2016年3月26日、北海道新幹線が開通した。終着駅は新函館北斗駅。函館市や北斗市にとっては、自治体からも地域活性化への大きな期待が寄せられる。また東北地方の都市も、東京と北海道が新幹線で繋がることにより自分たちにもメリットがあるのではないかと期…

なぜ福岡県観光プロモーション「ぴりから」は注目に値するのか。

2016年2月から福岡県が開始されたキャンペーンが面白い。「内容」もさることながら「ビジネスモデル」の作り方もおもしろい。 キャンペーンの内容を簡単に説明すると、福岡の「食」「文化」「歴史」等について、7人の著名人がWEBで小説を書いていくというも…

アイドルビジネスに革命をもたらした「みんなの山本彩」

NMB48の山本彩さんが出した写真集「みんなの山本彩」が話題である。話題の理由は、写真が一般のファンから集まった600枚で構成されているからだ。3週間限定で、オンオフ問わず、山本彩さんを撮影し、写真を送ってもらうという画期的な試みがなされたのだ。 …

「名前募集バーガー」を食べ、感じた『マクドナルドの未来』

日本マクドナルドホールディングス(以下、マクドナルド)の2016年1月の月次セールスレポートによると、全店売上高は前年同月比30.9%増、既存店売上高35.0%増、客数17.4%増、客単価15.0%増となった。マクドナルドにとっては、久しぶりに大きな明るいニュース…

「大塚家具」リニューアルで感じた久美子社長の本気

2016年2月5日、大塚家具からリニューアルに伴う内覧会のDMをいただいたので、時間をやりくりして新宿のショールームを訪れた。私は日本最大級の展示スペースを誇る有明本社ショールームに訪れることが多いのだが、この日は時間がなく新宿を訪れた。実際のリ…

独立したら、SMAPはまた新たな歴史を作るのか?

2016年1月13日、日本中を驚かせたSMAP解散に関するニュース。決定ではないにも関わらず、スポーツ紙、週刊誌に加え、テレビ各局もニュースで持ちきりだ。テレビ各局は情報番組だけでなく、ニュースでも大きく報じられるなど異例中の異例の取り上げられ方だ。…

ビジネス視点で考察する「ベッキーさんの謝罪会見」

2016年には入ってまだ2週間だが芸能界は話題に事欠かない。今は、SMAPの解散騒動が世間を賑わせている。その少し前は、人気バンド「ゲスの極み乙女。」のボーカル、川谷絵音さんと人気タレント、ベッキーさんの不倫疑惑騒動が世間を賑わせた。ベッキーさん本…

マーケティング視点で選んだ「2015年の漢字」

日本漢字能力検定協会が実施する年末恒例行事「今年の漢字」。2015年を表す漢字には「安」が選ばれた。安倍政権によって安全保障関連法が成立されたこと、パリ同時多発テロ事件など世界的に安全というものへの関心が高まったこと、旭化成によるマンション傾…

なぜ公開直後に「妖怪ウォッチ」が「スター・ウォーズ」の来場者数を上回ったのか?

2015年12月18日、「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」(以下「スター・ウォーズ」)が公開され、日本でも大きな盛り上がりを見せている。10年ぶりの新作であることや、ウォルト・ディズニー・カンパニーがルーカスフィルムを買収したことで、大々的なプロ…

日本マクドナル株売却「誰が未来を作るのか?」

日本経済新聞によれば、米マクドナルド本社が日本マクドナルドホールディングス(以下、日本マクドナルド)の株売却の打診を始めた。米マクドナルドは日本マクドナルドの株式の約50%を持つ筆頭株主である。日本マクドナルドの株式の最大33%まで売価する可能…

「トリプルスリー」が「新語・流行語大賞」に選ばれた意味

2015年11月10日、「2015年ユーキャン新語・流行語大賞(以下、新語・流行語大賞)」が発表された。2014年には日本エレキテル連合の「ダメよ~ダメダメ」が大賞に選ばれたように、その年に人気になったお笑い芸人のギャグが選ばれることも多い。しかし今年は…

なぜ山手線中吊広告は廃止されなかったのか?

2015年11月30日より、山手線に新型車両E235系が導入される。新型車両の導入は13年ぶりとなる。現行車両とは順次入れ替え、2020年までには入れ替えを完了させる予定だ。新型車両導入が発表された当初の予定では、中吊広告を廃止し、モニター広告に変えるとい…

「ATPツアーファイナル」開幕、テニスとラグビーの人気分析

※写真は筆者が訪れた2015年の全米オープンでの錦織圭選手 いよいよ男子テニス最終戦のATPツアーファイナルが始まった。昨年初出場ながらベスト4に入った錦織圭選手は、今年もランキング第8位に入りATPツアーファイナルに出場できることになっている。今年、…

「昼マック」中止の消費者反応をマクドナルドの経営者はどう感じているのか?

2015年11月11日、日本マクドナルドホールディングス(以下、マクドナルド)の平成27年12月期第3四半期の連結決算状況が発表された。 全店売上高は、273,914(百万円)対前年比 -20.4%とまだまだ厳しい状況が続くものの、第2四半期の数字と比べると改善傾向が…

ラグビーW杯、日本に熱狂をもたらした3つの法則

ラグビー史上はおろか、スポーツ史上最大の番狂わせと言う人まで出るほど世界中に衝撃をもたらしたラグビーW杯の日本vs南アフリカ戦の結果。多くの人が知っている通り、終了直前の逆転トライにより日本が34vs32で勝利した。一気に注目度が高まったラグビー。…

店頭で見えてくる「ユニクロ不振」の本当の理由

2015年6月、ユニクロの国内売上高が減少したことがニュースになった。既存店726店舗の売上高は、前年同月比11.7%減で3カ月ぶりに前年を下回った。客数も14.6%減となった。不調の要因としては、例年に比べて気温が低く、夏物衣料が苦戦したことを挙げている…

熱帯化が生みだした今年のブーム「かき氷」

この夏、日本全体が熱帯化した。各地で35℃を超える日は珍しくなかった。シンガポールやタイなど東南アジアから来たビジネスパートナーや友人たちが、日本はSuper Hotだと口々に言われた。10年前、20年前と比べると日本は確実に暑くなっている。 暑さ増す日本…

「進撃の巨人」4DXと「映画の未来」

先日、「進撃の巨人」を六本木ヒルズの4DXで鑑賞した。マーケティングの仕事をしていると、クリエイティブ視点でも、マーケティング視点でも、意識的にあらゆるエンタテインメントに接することが大事だと考えており、映画、ライブ、観劇などには訪れる機会を…

なぜ、グランクラス、ななつ星が人気になっているのか?

北陸新幹線のグランクラスに初めて乗車した。6列各3席と合計18席しかないほどゆったりした車内。通常の指定席や自由席が1車両で100席以上であることと比べると、どれほど贅沢なのかがお分かりいただけよう。価格も指定席の2倍程度と高額だ。ただ「価格/席…

「人民元の切り下げ」は日本にどんな影響をもたらすのか?

中国人民銀行は8月11日から3日連続で、対ドル為替レートの「基準値」を引き下げた。11日に1.9%、12日に1.6%、13日に1.1%引き下げたことは大きなニュースとなった。その後の発表で、これ以上の切り下げはないことも発表され、本件は落ち着きを取り戻してい…

錦織圭、高まる全米優勝の期待と広告価値

2015年8月14日、ロジャーズ・カップにて、錦織圭選手がラファエル・ナダル選手に勝利した。8度目の対戦にして初めての勝利だ。この勝利はとても大きい。 ■ 勝てない相手はもういなくなった ラファエル・ナダルと言えば、ジョコビッチ、フェデラー、マレーと…

コンビニコーヒーの未来を占う”3つのキーワード”

コンビニコーヒー(缶コーヒーではなくカウンター上の機械で提供するタイプのコーヒー)の好調ぶりが続く。セブンイレブンはセブンカフェ、ローソンはMACHI Cafe、ファミマはFAMIMA CAFE。その流れはこれら大手だけでなく、中小のコンビニチェーンにも及ぶ。…

”仕切り力”の無さが招いた国立競技場問題

公私ともども国立競技場の近くにいるということもあり、私にとって国立競技場は隣人のような存在だ。毎週のようにプールを訪れたり、嵐を始めとするコンサートの時には風に乗って音が聞こえてきたり、毎日ように国立競技場の横を通る神宮外苑のランニングコ…

マーケティング視点から見た”鰻商戦”、空前の盛り上がりの理由

7月24日は土用丑の日である。本来、鰻の旬は冬である。ところが「鰻=夏」というイメージが日本人には定着している。遡れば、江戸時代。エレキテルで有名な平賀源内が夏に売れないという鰻屋の悩みを解決するために、夏の「土用丑の日」に鰻と食べるという流…

大戸屋が約3万円の高級天ぷら店をNYに出店する理由

今週(2015年7月14日)、大戸屋ホールディングス(大戸屋)がニューヨークのマンハッタンに高級天ぷらや(天麩羅 まつ井)をオープンさせた。 高級天ぷらや(天麩羅 まつ井)をオープンさせた。 日本では気軽に食べることが出来る低価格帯レストランである大…

なぜ大塚家具のCMは視聴者の共感を得られたのか?

大塚家具のテレビCMが話題になっているようだ。親子ゲンカを意識させるような内容が入っているためだ。 ネット上で高い大塚家具のCM評価 www.youtube.com 面白いのは大塚家具のCM評価がネット上では高いことだ。今まで大塚家具に興味がなかったり、来場しな…

吉野家の業績低下に見え始めた低価格ビジネスの限界

吉野家の業績が下降気味だ。2015年3-5月の連結決算における純利益は前年同期比54%マイナスとなった。 低価格飲食店を苦しめるWパンチ もっとも大きなものは原材料価格の高騰だ。円安だけでなく、そもそもの牛肉価格が高騰していることによって原材料価格が…

大人気「ちょい飲み」ブームはどの業界まで広がるのか?

昨年から広がりを見せている「ちょい飲み」。仕事終わりに短い時間でサクッと飲んで帰ろうと「飲みスタイル」は、多くのビジネスマンに好評だ。私も過去のブログで何度か「ちょい飲み」が人気になっている背景を書かせて頂いた。(「居酒屋業界に追い討ちか …

五輪後完成のスタジアムに500億円追加で払えという暴論

東京オリンピックのメインスタジアム建設費が足りないということで政府は都に支援を要請している。簡単に約500億円の支援と言うが大変な額である。その額も今後増える可能性があるとも言われている。 日本人の誰もが感じていることだが、はっきり言ってお粗…

増税検討でピンチ?!チューハイ人気の未来はいかに?

ビジネスマンだけでなく、家庭においても「またビール類に増税があるらしい」ということが話題になっている。今回の記事では、まず最初に、ビールやチューハイの増税について何が検討されているのかということについて整理してみよう。 ◼︎ 増税検討の内容 簡…

錦織圭のトップ10入りを作った「1つのきっかけ」

全仏オープンが開幕した。錦織圭選手は3-0のストレート勝ちで順調に初戦を突破した。ご存知の方も多いと思うが、錦織選手は小学生の頃から才能あふれる選手であり、あの松岡修造も指導にあたっては技術的な指導をしてはいけないと思ったほどだ。 13歳の頃か…

全仏開幕。錦織選手がもたらす経済効果の可能性

いよいよテニスの全仏オープン。世界ランキング第5位の錦織圭選手の活躍を楽しみにしている人も多いだろう。2015年1月に行われたバルセロナオープンで昨年に続き優勝した錦織選手。過去、バルセロナオープンを2連覇した選手は6人いるが、その全てが全仏オー…

「IKEAvsニトリ」なぜ銀座初出店はニトリだったのか?

ニトリがプランタン銀座に出店した。ニトリと言えば、言わずと知れた家具を低価格で製造販売する企業だ。つい先日まで日本経済新聞「私の履歴書」でも似鳥昭雄社長の破天荒な成長物語が人気を呼んだ。地元北海道でドームテントの店舗を出店したら屋根が破れ…

”現場””データ””発表”で見えてくるマクドナルドの光と影

日本マクドナルドホールディングス株式会社(以下、マクドナルド)が毎月発行している月次セールスレポートの数字をご覧いただこう。 ◼︎ 月次セールスレポート(2015年3月、4月) 月次セールスレポート(2015年3月)※数字は前年同期比 全店売上高 -29.5% 既存…

100通りのWebCM。広告業界の常識も打ち破った松岡修造伝説

先日、興味深いプロモーションが公開された。松岡修造さんが出演するサントリー食品インターナショナルの炭酸飲料「C.C.Lemon」のプロモーションだ。驚くべきは、松岡修造さんが100通りのWebCMに挑戦していることだ。このWebサイトに行くと、ユーザーは100通…

大塚久美子社長のPR戦略の巧さは大塚家具に明るい未来をもたらすのか?

株主総会で父である創業者大塚勝久氏に勝利した大塚久美子社長。一連のゴタゴタ劇を反省するという名目で「お詫びセール」を4月18日から全国16店舗でスタートさせた。商品は最大50%引きという驚異的な割引率だ。新宿店では過去最高の入場者数を記録するなど…

「セブンvsミスド」ドーナツ戦争の正しい読み方

今、ドーナツが消費者の中で大きな話題となっている。その中心にいるのはコンビニ業界最大手セブンイレブン。今回は、コンビニドーナツとドーナツ専門店の争いが叫ばれるこの話題を取り上げていきたい。 ■ 盛り上がるドーナツ市場 2014年10月からセブンイレ…

レモンジーナ「品切れ」による販売中止はサントリー戦略だったのか?

サントリー食品インターナショナル(以下、サントリーインター社)は果汁入り炭酸飲料「レモンジーナ」の販売を一時休止すると発表した。同社によると、2015年4月から12月までの販売計画100万ケースを、4月1日の発売からわずか2日で125万ケース出荷と年間目…

株主総会が終わっても光明が見えない大塚家具の未来

大塚家具の株主総会が終了した(2015年3月27日)。今回の株主総会の最大の争点は、創業者であり会長の父大塚勝久氏と代表取締役社長である娘大塚久美子氏のどちらを経営者として選ぶのかというものだった。結果として「自身の続投と勝久会長の退任を求める議…

コンビニ合併。鈴木会長発言に見るセブンイレブンの強さの根源

セブン&アイ・ホールディングスの鈴木敏文会長。今の日本の経営者の中で最高の経営者の一人に挙げる人も少なくない。2015年1月、私は雑誌「財界」の「財界賞」受賞パーティーにご招待頂き、お邪魔させて頂いた。そこには日本を代表する経営者たちがズラリと…

マクドナルドの「苦情受付アプリ」がもたらす影響

日本マクドナルドホールディングスは2015年2月の月次レポートを発表した。売上高は対前年でマイナス28.9%と2015年1月に記録したマイナス38.6%に次ぐ落ち幅となった。客数、客単価とも2015年1月の落ち幅よりは改善しているが、2015年に入ってからのマクドナル…

松井秀喜のヤンキースGM特別顧問就任は新時代の幕開けサイン

2015年3月11日(日本時間)、メジャーリーグの名門、ニューヨークヤンキースは松井秀喜氏をゼネラルマネージャー(GM)特別顧問に任命したと発表した。松井氏は2003年から2009年まで7年間に渡りヤンキースでプレーした経験を持つ。2009年のワールドシリーズ…

2015年はさらに熱い。最新「シェア」事情

ここ数年、日本人の消費や生活を語る上で欠かせないキーワードの一つが「シェア」だ。レストランで運ばれて来た料理を一緒に来た人と分け合う時に「シェアする?」と聞いたり、仕事において情報を共有する時などに「情報をシェアします」と言ったり、ソーシ…

5つのマーケティング視点から「大塚家具」の内紛劇を斬る

大塚家具の経営が揺れている。現在の社長、大塚久美子氏と現在の会長、大塚勝久氏による経営権をめぐる戦いだ。父と娘の争いのため、普段は経営に興味の無い人達までもが、この争いに注目している。私は父と娘が争っているということよりも、そもそもマーケ…

” インバウンド消費”の象徴。春節「爆買い」を振り返る

2014年、訪日外客数が1300万人を突破したことに象徴されるように、外国人の日本旅行ブームは日を追うごとに高くなっている。2015年に入ると、その勢いはさらに加速しているように見える。東京だけでなく大阪、京都、そして観光名所のある地方でも外国人観光…